インフォームドコンセントとセカンドオピニオン|親の入院・介護で知っておきたいこと

医療の場面でいきなり登場する書面-『同意書』。
でも、ただサインするだけでいいの?主治医の判断だけを頼りにしていいの?
実は、患者さんやご家族の権利を守る大切な仕組みがあります。
今回は、医療における重要な約束事「インフォームドコンセント」と、よりよい治療選択のための「セカンドオピニオン」について、分かりやすく解説していきます。ご家族の治療や入院に直面したとき、きっと役立つ情報をお届けします。

目次

「インフォームドコンセント」って知っていますか?

病院で手術や検査を受けるとき、必ず「同意書」にサインを求められますよね。これは、お医者さんが治療の内容や使う薬について、しっかり説明をして、患者さんの理解と同意を得てから治療を始めるという大切な約束事なんです。この「説明を受け納得した上での同意」を意味する包括的なプロセスインフォームドコンセントといいます。
このプロセスでは、医師が患者に対して病状、治療内容、リスク、代替案などについて十分な説明を行い、患者がそれを理解したうえで治療方法を選択します。

 

◎こんな説明を受けます
・検査、治療方針
・手術の目的と方法
・手術によって期待できる効果
・術後の注意点
・麻酔の危険性
・輸血
・合併症
引用:大田差惠子著『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』SHOEISHA

解説モップくん
特にご高齢の親御さんの場合は要注意。もし親自身の判断が難しい状況なら、家族が代わりに同意することになります。お元気な場合でも、家族に説明を聞いてもらうことが多いですよ。

最近は医療トラブルも増えているので、病院側も慎重になっています。同意書には「いかなる事態が生じても、一切異議を申し立てません」みたいな一文が入っていることも。でも、これは医療ミスがあった場合の提訴を妨げるものではありませんからご安心ください。

病院によっては、インフォームドコンセントのガイドラインを設置しているところもあります。

大切なのは、きちんと説明を受けて、納得した上で治療を受けること!
分からないことがあれば、遠慮なくドクターに質問しましょう。

主治医以外の意見も聞いてみたい~セカンドオピニオン~

主治医の先生からしっかり説明を受けたけれど、もう少し違う視点の意見も聞いてみたいそんな経験ありませんか?そんな時は遠慮なく「セカンドオピニオン」を活用してみましょう。

セカンドオピニオンって何?という方のために簡単に説明すると、今かかっている病院以外の専門医に相談して、病気や治療法についての意見をもらうことです。決して主治医の先生に対して失礼なことではなく、より良い治療を選ぶための制度として確立されています。

◎実際の手順はとってもシンプル!

・主治医の先生に紹介状を書いてもらう
・検査データを借りる
・専門医に相談する
参考:大田差惠子著『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』SHOEISHA

気になる費用は30分で1~3万円くらい。残念ながら健康保険は使えませんが、ご家族の健康のために、十分価値のある投資かもしれませんね。

特に嬉しいポイントは、ご本人が病院に行けない場合でも、同意があればご家族だけで相談できること。お年寄りの親御さんの治療について悩んでいる方には、とても心強い制度だと思います。より良い治療法を見つけるため、セカンドオピニオンという選択肢も覚えておくと安心ですね。

ちなみに、私の母は脊柱管狭窄症の治療について、かかりつけの整形外科の他にもう1か所、私の近所(他府県)で評判の医師に診てもらいました。コルセット一つにしてもドクターによって勧められるものが違っていたりします。いろいろな治療方針があるので、親の年齢的なリスクもよく考えて、納得して治療することが大事ですね。

一番大事なのは親の気持ち

ナイショのモップくん
親子でも本音を話すのって勇気がいることもあるんだ。だから親の気持ちに耳を傾けて少し待つことも大切だよ

年を重ねた親の医療や介護について、私たち子どもは「より良い方法を」と考えがちです。しかし、そこには気を付けたい視点があります。
親は、子どもに心配をかけまいと、様々な思いを抱えているもの。「こんなことまで相談して、負担になるのでは…」と遠慮される場合も少なくありません。
特に医療や介護の選択において、親の本音を理解するのは容易ではありません。
セカンドオピニオンを勧めても「今の先生で大丈夫」とさらりと返される。
それは、実は子どもへの遠慮や親なりの配慮からきているのかもしれません。

老々介護の場合は一層の配慮が必要です。介護者である親の負担を考えてばかりいると、介護をされている側の親の気持ちがおろそかになり大切な親子の絆にヒビが入ることも。
そのまた逆も然り。

大切なのは、子どもとして無理のない関わり方。親の気持ちに寄り添いながら、できることを一つずつ。それが、長く続く介護生活を支える知恵なのかもしれませんね!

 

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