先日、滋賀県内の社会福祉協議会の有志の皆さまによる勉強会で、
業務効率化と生成AI活用について、話題提供をさせていただきました。
実は私は、いわゆるITが得意なタイプではありません。
これまでの職場では、Word・Excel・PowerPointも「人並みに使える」程度。
Excelに関数が出てきた瞬間、正直お手上げ…という人間です。
そんな私が、今こうしてAIについてお話しする立場にいること自体、
少し不思議な感覚があります。
「同じ立場にいた」からこそ、分かること
退職してから約9か月。
ほんの一年前まで、私は今日ご参加くださった皆さんと
まったく同じ立場で働いていました。
業務の忙しさも、
日々の小さな判断の積み重ねも、
「今すぐ戻れる」と感じるくらい、手に取るように分かります。
だからこそ、
生活者の視点で地域福祉を支えてきた皆さんの感覚の鋭さに、
あらためて驚かされました。
生活者としてのリテラシーが高く、
組織活動に対する理解も深い。
その土台があるからこそ、
生成AIの話にもすぐに共鳴が起きるのだと感じました。
今日お伝えした2つの視点
今回の勉強会では、主に次の2つの視点でお話ししました。
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① 個人の業務を効率化するAIの使い方
議事録作成、文章整理、スライド作成など、
すぐに効果を実感できる使い方 -
② 組織のナレッジを継承していくためのAI活用
過去の資料や経験知をどう残し、どう引き継ぐか
時間をかけて育てていくAIの考え方
この2つは、
期待できる成果の時間軸がまったく違うという点もお伝えしました。
現場から出てきた、リアルな声
印象的だったのは、参加者の皆さんから自然に出てきた声です。
入職1年目の方からは、
「過去の職員の知識や判断の背景をAIで引き出せたら、どれだけ心強いか」
というお話がありました。
また、
紙ベースで保管されている資料が引き継ぎにくいという課題、
文書表現をめぐる人間関係のストレスを
AIを介することで和らげられるのではないかという発想。
四コマ漫画やスライド作成など、
「楽しみながら使っている」実践例も共有されました。
一方で、
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人間らしさが失われるのではないか
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成長の機会を奪ってしまうのではないか
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AIの出力をどこまで信じていいのか分からない
といった、とてもまっとうで誠実な危機感も率直に語られました。
AIだけで完結させるのではなく、
他者との意見交換を通して方向性を確認したい。
この感覚は、まさに福祉現場で培われてきた姿勢だと感じます。
リテラシーと向き合い続けるということ
個人情報をどう守りながら活用するのか。
福祉の現場では、避けて通れないテーマです。
一度で答えが出るものではなく、
さまざまな意見を交わしながら
「現時点での最適解」を探っていく。
そのプロセス自体が大切なのだと、あらためて感じました。
大きな地殻変動の中で
私自身、これまで
パソコンやインターネットの普及という大きな変化も経験してきました。
それでも、
**生成AIが個人レベルで使えるようになった今の変化は、
これまでとは質の違う「地殻変動」**のように感じています。
同じ現場を歩んできた皆さんが、
この変化をどう受け止めているのか。
その感触を確かめられたことは、
私にとっても非常に大きな学びでした。
アンケート結果から見えたこと
参加者は約10名。
アンケートでは、**全員が「AIを使っている」**と回答してくださいました。
一方で、
「使ってはいるけれど、基本的な使い方が分からない」
という声が圧倒的に多かったのも事実です。
だからこそ、
基本を丁寧に押さえること
現場の感覚に寄り添いながら伴走すること
その重要性を強く感じました。
今回の勉強会は、
「教える・教えられる」という関係ではなく、
同じ時代の変化の中で考え続ける仲間としての対話だったように思います。
これからも、
人間らしさを大切にしながら、
現場に根ざしたAI活用を一緒に考えていけたら。
そんな思いを胸に、次の一歩を考えています。


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